ランドスケープデザインとは?自然と人工物が調和する空間デザイン
ランドスケープデザインとは、建築やデザイン分野では都市や公園、広場などの空間デザインのことをいいます。
都心に森林浴ができるような空間をつくったり、役割を終えた共同住宅をあらたに街として再生するなど、このようなプロジェクトでランドスケープデザインという考え方が大きく関係しているのです。
しかしランドスケープデザインの対象は広大であり、フォーカスされる事象は時によって変わってきます。
今回はランドスケープデザインの基本的な考え方や、地域や自然との関係性について解説していきます。
ランドスケープデザインの考え方
ランドスケープデザインは、特定の場所に建築物を建てる際に、その場所の環境や周辺の自然、既存の建築物などを考慮し、建物が周囲の景観や環境に調和するようデザインする考え方です。
自然と人工物の調和を重視し、地形、植生、水域などの要素を活かしながら、建物がその場所になじむように設計されます。
加えて、建築物の配置や形状、色彩、素材など、地域の文化や歴史、利用者のニーズにも配慮されたデザインが求めらるようにもなってきました。
自然の造形物をデザインの対象とするランドスケープデザイン
ランドスケープデザインは草花・樹木・昆虫・動物・土・水の流れなどあらゆる自然の造形物をデザインの対象とします。
したがって、デザインする地域の地理や地形を調査し、地域の気候や季節の移ろいなども意識するのが大事です。
自然と調和したデザインは、地域住民の憩いの場となり、ストレス軽減やリフレッシュ、集中力の向上など、精神的な健康をサポートします。
自然や地域に向き合い、寄り添うことで違和感を伴うことなく新しい価値や造形、心惹かれる空間を付加するのがランドスケープデザインの使命です。
移り変わりを楽しむデザイン
ランドスケープデザインは、一つの場面だけで完結させるのではなく、関連づけて連続させて展開し、訪れた人々の歩みに合わせるような造形を心がけることがポイント。
特徴ある風景が現れてはすぎていくようなランドスケープを意識すると良いでしょう。
日当たりや風の流れ、そして時間や季節の移ろいを感じることができる場所を形成することで、訪れた人々を惹きつける風景や心地よい環境を提供します。
そしてその風景は決して新しいものだけではなく、その場所の歴史や伝統を感じることができるということも必要になります。
ランドスケープデザインは、単なる美的な要素だけではなく、人々の心に残る体験を提供し、その場所の魅力を引き出すことを目指しています。
ランドスケープデザインによって地域価値の向上を図る
地域の歴史との調和
ランドスケープデザインで重要なのはどんな場所にもあるそれぞれの歴史や想いを大事にすることです。
そのためには対象となる場所のもつ歴史や思いを調査し、そこで暮らす人々の声に耳を傾け本質に迫ることが必要となります。
どの地域にも昔から大切にしてきた習慣や伝統があり、この場所はこうであってほしいという思いをリスペクトし、それを将来的なビジョンに繋げていくように協働しなければいけません。
地域住民や関係者との意見交換や共同作業を行い、地域に寄り添ったデザインを実現することが重要です。
伝統的な庭園や風景美、地元の建築様式や工芸品などをランドスケープデザインに取り入れ、地域のアイデンティティを反映した空間を創造することで、その場所に新たな価値を付加するような魅力に満ちたランドスケープデザインが出来上がります。
地域価値の向上
ランドスケープデザインを求める事業者は、対象となる場所の活性化を期待しています。特に商業系の場合は賑わいと共に地域価値を向上させたいという切実な願いがあります。
よく整備された公園や街路樹、景観の美しい街並みは住民や観光客に心地よさや満足感を与え、地域のイメージアップにつながるとともに、地域の魅力が高まることによって観光客や訪問者が増加し、小売業や飲食業などのサービス業にとっても好影響が期待できます。
地域価値の向上に向けたランドスケープデザインの取り組みは、住民の生活の質を向上させると同時に、地域の経済的な活性化や社会的な結束を促進してくれるのです。
街を豊かにするランドスケープデザインの力
ランドスケープデザインで生まれ変わったとして有名なのがニューヨークの鉄道高架跡地をマンハッタンの街並みを一望できる空中公園に作り替えたハイラインです。
ハイラインは、約2.3キロにわたる高架線路上に整備されており、廃線となった鉄道高架路を再利用した都市公園で、植物、花壇、座席、アート作品などが配置された公共空間となっています。
訪問者は、マンハッタンの街並みを眺めながら散歩したり、数々のアート作品を鑑賞することができます。
また、季節ごとに異なる植物が咲き、訪れる人々に楽しい体験を提供しています。
周辺地域の個性を重視し、人々に親しまれるようなランドスケープデザインで、廃線跡地の再利用や都市の緑化、公共空間の創出といった側面から、持続可能な都市開発の一環としても注目されている事例です。
このように、都市生活者が都会にいながらも、自然を感じゆったりとした時間を過ごすことができる屋外の公共空間整備が、成長戦略の一貫としてあらゆる場所で実践され始めています。
日本におけるランドスケープデザインの普及
日本においても、近年はランドスケープデザインの重要性が高まっています。
特に、アメリカなどで確立されたアプローチが日本にも影響を与え、建築プロジェクトにおいてもランドスケープデザインが優先される傾向が顕著に見られるようになりました。
さらに、日本のランドスケープデザインは、建築物だけでなく周辺環境全体を包括的に考える点が特徴です。
建物との調和だけでなく、周辺の公共空間や交通インフラ、地域社会との関わりも重視され、地域全体の持続可能な発展に貢献するデザインが求められています。
実際に、都心部の緑化や街の再開発、道路空間の見直しなどで、ランドスケープデザインの考え方が取り入れられるようになっています。
道路やマンション内に誰でも利用できるオープンスペースが設置されていたり、街中に突如、緑の公園が現れたりするのを見たことがある人もいるでしょう。
これらはランドスケープデザインの考え方に関係しています。
無機質な人工物だけの街並みをランドスケープデザインによって自然と人工物が調和した居心地の良い空間に創り変えることで、新たな賑わいの場所を創出し、地域価値の向上を図っているのです。
このように、日本のランドスケープデザインは、国内の文化や価値観を取り入れつつ、国際的な動向とも調和しながら進化しています。
イタリア家具ブランドTONONが生み出すランドスケープデザインに貢献するコレクション
TONONの屋外家具コレクションも地域の景観やランドスケープデザインに調和するよう設計されています。
2023年10月3日から31日まで行われたYAESUst.PARKLETにTONON製品のCORDA CHAIR、SAILOR CHAIRを採用いただきました。
YAESUst.PARKLET(八重洲ストリートパークレット)とは東京駅前八重洲通りで道路空間を活用した社会実験の一つとして期間限定で行われたプロジェクトです。
通りの雰囲気にあわせて薄くグレーに塗られたデッキに、ナチュラルカラーのチェアが一体感と洗練された空間を作り上げます。植物は癒やしの効果とともに、車道側からの目隠しにもなります。
もともとあった木を囲むように設置されたテーブルにはペダル発電機が備わっていて、作業をしながら運動もでき、環境にも配慮したデザインとなっています。
人や街と調和するようにデザインされた空間は、市民がリラックスしたり、友人や家族との交流を楽しむ場として誰でも自由に利用することができます。
さらに人が集まることで、周囲の店舗や飲食店の顧客数を増やし、地域経済の活性化にも期待できます。
ランドスケープデザインではその場所に置かれる家具も非常に重要な要素となります。
イタリア家具ブランドTONONでは、様々な目的・イメージにあったガーデンファニチャーを提供しています。
CORDA COLLECTIONは一般的なシートでは異例の航海用のロープを手で編み込んだ格子縞の機能的なスツールとなっています。屋外でも使用することができ、レストランのテラス席やプールサイドにもおすすめのコレクションです。
多色展開のため、空間の雰囲気に合わせて選びやすいのもポイントです。
RIVER COLLECTIONは特徴的なデザインが人気のコレクションです。
ウレタン製の商品のため、表面は柔らかく弾力があります。RIVER CHAIRは背付きのため、ガーデンチェアとして庭でゆっくりとした時間を楽しむのに最適な商品です。
SAILOR COLLECTIONは航海用ロープを2人の職人が手で編みこんだ、漁師の編みからインスピレーションを受けたデザインが特徴です。
SAILOR TABLEはHPL(高圧ラミネート)を天板に使用しており、傷がつきにくく紫外線や熱に耐性がある屋外でも使用可能なテーブルです。
自宅の庭やレストランのテラスなど屋外での使用に適しています。
ガーデンファニチャーによって完成する癒しの自然空間
癒しのくつろぎの空間を完成させるためにはガーデンファニチャーの存在が不可欠です。
テーブルや椅子一つでその空間をくつろぐことができる空間に生まれ変わります。
しかし、その空間のスペースや雰囲気に合わせて慎重に検討する必要があるのでガーデンファニチャーについてお悩みの方はぜひTONONまでご相談ください。